創価大学教育学会

創価大学教育学会>書庫>2010年 第9回大会口頭発表抄録
口頭発表D-4

個の成長及び学級集団の安定をめざした学級通信の掲載内容及び掲載方法の研究
~児童自身の表現による児童同士のかかわり合いを通して~

寺本 英雄(創価大学教職大学院 教職研究科)

Ⅰ 研究の目的

 現在,小学校は基本的に学級担任制である。学級集団を安定させ,学級の一人一人の個を成長させることは,学級担任としての大切な目的である。
 その目的を達成するためには,(授業力と学級経営力の関係の捉え方は様々だが)授業力とともに,その授業を下支えする学級経営力が欠かせない。
 そこで本研究では,学級経営の手立ての一つとして,自分自身が活用してきた「学級通信」に視点を当て,分析,考察し,「個の成長及び学級集団の安定をめざした学級通信の掲載内容及び掲載方法」を明らかにしていきたいと考えた。

Ⅱ 研究の方法

Ⅳ 研究の内容

1.研究の仮説

以下の内容及び方法で,学級通信に記事を掲載することにより,個の成長及び学級集団の安定につながると考えた。

2.学級通信の掲載記事の分類

(1)掲載内容及び掲載方法による分類
学級通信の掲載記事の内容及び方法を分析した結果,以下のような視点で分類することができた。
① 掲載内容
 ・教師の思いや活動内容
 ・子どもの思いや活動内容
② 掲載方法
 ・教師が表現する方法
 ・子どもの表現をそのまま紹介する方法
(2)仮説検証のための掲載記事の分類
仮説を検証するために,掲載記事を以下のような視点で分類し,分析をおこなった。
① 教師が子どもに視点を当てる記事
 ・子どもの思いや活動を教師が表現する
 ・かかわりを教師が表現する
 ・教師の思いを子どもの表現のまま紹介する
② ローテーション掲載及び子ども発信通信
 ・子どもの表現のまま紹介する。
③ 子どもが子どもに視点を当てる記事
 ・かかわりを子どもの表現で教師が表現する
 ・かかわらせて子どもの表現のまま紹介する
 ・かかわりを子どもの表現のまま紹介する
 ※ただし,③におけるかかわりは,発信及び受信を区別して分析した。

Ⅴ 研究の結果及び考察

1.個及び学級と学級通信の掲載内容及び掲載方法の関係についての分析結果

2.個の成長及び学級集団の安定をめざした学級通信の掲載内容及び掲載方法の考察

 教師が視点を当てるだけでなく,子どもの表現をそのまま活用し,子ども同士がかかわり,「受信」すると共に「発信」していく必要性が明らかになった。

キーワード:学級通信,かかわり合い,発信,受信