教科の授業で国語の読解の授業が自分の中でも難しいと感じてきた。読解力をつけることは、文章を読み取る力や論理的に考える力、また想像力を培うなど豊かな心を育んでいくことのできる、大切な教科だと日々感じている。日本の高校生を対象に行ったPISA型調査においても読解力の低下という調査結果が分かり、読解力の育成にも注目されている。原因は様々考えられるが、国語の読解の授業において、特に文学教材では、従来のような登場人物の気持ちばかりを毎時追っていくような読み取りの授業から脱して、長崎氏のいう「読みの行為をいかに表現に開き、いかに表現力の育成へと連動させるかである。」(表現力を鍛える文学の授業2010年明治図書)のように表現に開いた読解の授業実践を検証し、どのような読解力が身についたのか学習者の変容を追究していきたい。
1. 方法
・国語科、読解指導について参考文献,参考資料の考察
・実践論文からの分析、考察
・実習校での授業実践からの分析、考察
2. 研究の内容
(1)表現力を高める授業の授業実践例
・表現に開く授業の特徴
・事例実践授業から指導法の分類分析
(2)実習校での授業実践の分析
・1年「くじらぐも」(光村図書)の授業実践の分析
・1年「じどう車くらべ」(光村図書)の授業実践の分析
・授業後の学習者意識アンケートの結果分析
1.表現に開く授業の定義として以下の項目を挙げる。
・教材の特性を生かすことで、1年生においても効果的な読解ができると考えた。
2.仮説検証の分析観点
(1)事例実践授業の分析
・発問
・学習者の発言
・読解の指導方法
・手だて
・手立てによる学習者の読解の表現についての分析
(2) 実習校での授業実践例
ⅰ.授業検証、分析について
・発問
・学習者の発言の整理の仕方
・学習者の発言に対する教師の反応
・板書の仕方
ⅱ.学習者の変容と分析
・つぶやきの分類
・発言の質と数
・授業の振り返りの記述
1.事例実践授業からの分析結果
・文学教材の特性を生かした読解の指導法により、効果的な読解をすることができる。
・自分の言葉で語れるような手だてや工夫が、学習者の読解の表現力を高めている。
・説明文で比較をする読解の指導方法により、読解力を高めている。
2.実習校での授業実践の分析
・説明文では、文型指導をおさえながら、論理的思考力を高める指導法により効果的な読解ができる。
・自分の言葉で、表現することができる。
3.考察
・表現に開く読解の指導法により、従来の毎時気持ちを追っていく指導法と比較し、より質の高い読解へと変容することができた。
キーワード:読解力、読解の指導方法、表現力